不振の年でも山田哲人の輝きや価値に何ら変わりはない

 ここ5試合で出塁率.524、打率は.412。春先から打撃が低調だった山田哲人ですが、8月に入ってからは打率.392と人間離れした成績を残しています。今シーズンはメディアもファンも「山田は調子が悪い」って言い続けたものだから、なんだか良くないイメージがあるけれど、やっぱりこのバッターはどうしようもない才能の持ち主だなあと思います。調子が悪い年なら、調子が悪いままの方が、いっそ人間らしくていいなとさえ思うけど8月の成績を振り返ると、その才能に改めてゾッとさせられます。

 

 昨シーズン終盤は徹底的にインコースを攻められ、死球を食らうこともしばしばありました。また、本人はモチベーションが低下してしまったと話してもいました。開幕前はWBCがあり、横浜DeNAの筒香も哲人と同じく苦しいシーズンを送ることになりました。きのうの試合やその前の巨人戦なんかを観ていても、他球団は本当によく哲人を研究していると思います。そして、今年は故障者が続出してしまって、本来なら哲人の後ろには雄平や畠山などがいなくてはいけませんが、無理に哲人と勝負しなくても平気な状況になってしまっています。これがさらに彼を苦しめていました。

 

 本来、哲人の打順は3番ですが、その場合、ベストメンバーならバレンティン、雄平、畠山と怖いバッターが続くはずなのです。彼らがいないものだから、相手投手としては最悪四球になってもいいから厳しいところにどんどん突いてくる。一方で、哲人も「俺がなんとかしなきゃ」と普段よりも思っているので、厳しいボールに手を出してしまう場面がよくありました。

 

 今現在でも離脱者が復帰したわけではないので、その状況は変わっていません。徹底的に研究され、そのうえでボールになっても構わないという精神で厳しいコースに来る。そういう状況は同じなのに、打率は.392。もう、化物としか言いようがない。夏以降の哲人は体勢が崩れてもヒットが打てるようになりました。解説者もそのことにあまり触れてくれないけど、僕から言わせれば、曲芸の領域です。哲人は、タイミングで打つ選手であり、バックスピンが生命線です。崩されてもそれができる選手は、球界に何人いるでしょうか。全盛期のイチローくらいじゃないのかな。

 

 若松勉さん以降、ヤクルト栄光の背番号「1」を素晴らしい選手たちが継承してきました。若松さんと青木宣親はアベレージヒッター。岩村は中距離砲で池山はホームランバッター。では、哲人は何かって思うと、その全てができる選手なんですね。まさにコンプリートヒッター。

 

 少し前までの哲人は、「あんな球は打てない」と相手投手が調子のいいときは諦めたようなことをよく口にしていました。しかし、今年という逆境のシーズンは天才をさらにもう一段成長させたように思えます。これで、来年以降故障者が復帰したとき、相手バッテリーはどうやって哲人を抑える気なのでしょうか。そうなると、たぶん手がつけられなくなる。

 

 2017年の山田哲人はあんまり調子が良くなかった。おそらく、今後はそう語り継がれていくことでしょうが、それでもこの年の持つ意味は大きいと思います。

 

 この厳しい状況下で、哲人はヒットが打てるようになりました。残り1ヶ月半。もしかしたらホームランまで打ち始めるかもしれません。想像を絶するけれど、哲人なら有り得る。

 

 長く野球を観てきたけれど、山田哲人みたいな選手っていうのは観たことがありません。 野球の常識を常に覆してきた選手ですから、これから先も必ず想像を超えることをしてくれると思います。

 

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