今時のアンチ巨人とは何か

 巨人が全然勝てないですね(ヤクルトファンのお前が言うな)。

 

 1975年以来の11連敗とのことで、それはもう僕が生まれる前の話ですから、まったく知らない時代です。第1次長嶋監督時代らしいですが、その時代のことは、漫画『新巨人の星』で少し読んだかなーって感じです^^;

 

 先日、友だちと「最近の巨人はダメすぎる」って話をしていました。別に11連敗しているからじゃなくて、時代に取り残されているからという理由で。

 

 かつて、この国には、大日本東京野球倶楽部というチームがありました。戦前、まだプロ野球が存在しなかった頃、日本中から名うての選手や逸材をかき集めて結成された日本初の職業野球(プロ野球)チームです。このチームは、1934年にべーブ・ルース、ルー・ゲーリック率いるメジャーリーグオールスターチームと対戦。17歳の沢村栄治が善戦するも、16戦全敗に終わりました。しかし、これで日本の野球人気が急上昇し、同チームはアメリカ遠征中に「読売ジャイアンツ」とその名を改めました。

 

 その後、読売ジャイアンツは名選手を揃えて人気を博し、王貞治長嶋茂雄の台頭でついに人気は絶頂期を迎え、9年連続日本一という大偉業を成し遂げました。その後、ONが監督になっても人気は続き、プロ野球中継と言えば巨人戦。プロ野球は、巨人とその他のチームの闘いという図式になっていきました。

 

 娯楽が少なかった戦前、戦後の日本にとってプロ野球は最大の娯楽であり、巨人こそが大正義だったわけです。僕が子どもだった頃、1980年代後半〜90年代前半なんかもとにかく人気は圧倒的で、プロ野球とは「巨人とその他大勢」だったし、それはよく覚えています。

 

 確かに、堀内監督くらいまでの巨人は、生え抜きのスター選手とFAで獲得した全国区の選手が名を連ねるドリームチームだったと言えるでしょう。名前だけはね。

 

 ちなみに2004年の開幕オーダーはこんな感じ。

 

1二 仁志
2左 清水
3三 小久保
4右 高橋
5一 清原
6中 ローズ
7遊 元木
8捕 阿部
9投 上原

 

 もうね。名前だけ見たら勝てる気がしない。とんでもない打線なわけです。野球ファンなら、いや野球ファンじゃなくても知ってる名前ばっかり。今思えば嘘みたいなメンバーですが、これが巨人の普通だったんですよね。

 

 しかし、いまやどうでしょう。ライトな野球ファンがいまの巨人のスタメンって言えますかね。たぶん言えない。

 

 ”アンチ巨人。打倒巨人”

 

 いまや、なんだか虚しくさえ聞こえてしまう言葉です。先人たちは、圧倒的な強さと人気を兼ね揃えた巨人を倒すことに執念を燃やしていました。また、今時の若い人に伝わるかどうか分かりませんが、巨人が好きで憧れているからこそ、打倒巨人に燃える名将たちも多くいました。そういった反骨精神がアンチ巨人の精神そのものだと思います。

 

 しかし、時代は変わりました。プロ野球再編問題以降、ファンサービスが重視されるようになり、ソフトバンク楽天DeNAとIT企業が相次いで参入し、プロ野球の経営は激変しました。同時に人々の趣味が多様化し、地上波から巨人戦が姿を消しました。また、SNSやネット中継という新しいツールが増えていきました。

 

 結果、かつての巨人だけが圧倒的な人気を博している時代は終りを迎え、その代わり閑古鳥が泣いていたパ・リーグ球団まで人気が急上昇し、12球団の人気が均等に近づいてきたと思います。むかしは「巨人じゃないとプロに行かない」という新人選手も多かったし、「現役中に一度は巨人のユニフォームを着たい」とか「解説者として食べていくためには引退するときは巨人で」と考える現役選手も減ってきたなと思います。

 

 憎たらしいくらい強く、人気がある巨人。だからこそ、自分の好きなチームがそれを倒すのが面白かった。それ故の、アンチ巨人プロ野球をより愉しむためのひとつの方法とでも言いましょうか。

 

 今の若い巨人以外のセ・リーグ球団ファンは、心の底から巨人が嫌いっていう人はあんまりいないんじゃないかなーって思います。かつての文化を引き継いで、プロレス的にアンチ巨人で盛り上がっている人もいるんじゃないかなー。僕自身、巨人に対する特別な意識ってもうあんまりないですね。どっちかというと、ソフトバンクに対して、ラスボス感を抱いているかも^^;

 

 巨人戦が地上波から消え、巨人の人気がかつてほどではなくなってきて、スタメンを見ても全国区の選手は数えるほどしかいなくなってしまいました。かつては日本唯一のドーム球場として羨望の眼差しを集めた東京ドーム。しかし、次から次へと立派なドームが建設されて、気付いたらなんだかこじんまりとした新しさも古さもない存在になってしまいました。まるで、どんどん進んでいく新しい時代に取り残されるかのように。

 

 巨人はスペシャルなチームではなくなった。

 

 最近はそう感じることが多いです。次の時代…つまり、2020年代は、巨人にとってどんな時代になるのでしょうか。古い体質を貫くのか。それとも、過去の栄光にすがらずに進化していくのか。

 

 数多くの野球ファンが、「巨人よ、お前はどこへ行く?」と見守っているに違いありません。

 

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