長谷川晶一著『いつも、気付けば神宮に』の感想

 発売前から楽しみにしていた長谷川晶一さんの本『いつも、気付けば神宮に 東京ヤクルトスワローズ「9つの系譜」』が発売されたので、早速購入しました。たまたま仕事で近くにいたので、高校生の頃に散々お世話になった書泉ブックタワーにで買いました。久々に行ったけど、やっぱり良い書店。ワクワクさせてくれる。

 

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 僕は記者をしていたこともあって、本は学生時代からかなり読んでいると思います。現役の記者だった頃は、新聞を4紙購読してました。ちなみに、新聞一冊で一般的な文庫本2冊分のボリュームがあるのですが、人間の脳みそっていうのはとても良くできていて、斜め読みしていると、自覚はなくても、自分が欲している、必要としている記事で目が止まるんですよ。そうなっているんです。

 

 よく先生やお母さんが「本を読みなさい」なんて言うもんだから、まるで読書っていうのは勉強をするかのように思われがちですが、そんなことはないんです。むかし、『号外!!爆笑大問題』という深夜番組がやっていて、そのなかの人気コーナーに「今週のコラム」というものがありました。爆笑問題の太田さんは読書家として有名ですが、彼が毎週様々なテーマについてのコラムを、ニュースキャスターかのような演出で、面白おかしく語るものでした。そのなかで、太田さんがとても良いことを言っていました。

 

 「よく学校にある二宮金次郎像。薪を背負いながら読書をする姿は、勤勉の象徴とされていますが、本当にそうでしょうか。なぜなら、私にとって読書とは娯楽だからです。当時、テレビやゲームがない時代の二宮金次郎にとっても、読書は娯楽だったのではないでしょうか。私にとって、あの姿はランドセルを背負ってゲームをやりながら歩く現代の子どもたちと同じに見えるのです」

 

 素晴らしい。おっしゃる通りだと思います。

 

 僕は読書をしますが、好きな本しか読みません。もちろん、仕事のリサーチや勉強で読む本は別ですが、普段読む本は好きなのしか読まない。どんなに売れている本でも、どんなに評価されている本でも、最初の数ページを読んで、自分とは合わないなとか、読み辛いと感じたら諦めます。たぶん最後まで読んでも面白くない…はず^^;

 

 逆に、良い本というのは、次が気になって仕方がない本だと思います。つまり、それは人それぞれであり、直木賞だからとか、Amazonで売上1位だからとかは全然関係ない。その人にとって、超面白くて、次が気になって仕方ながない本こそ、その人にとっての最高の本なのだと思いますし、そういう本だけ読んでれば良いと思ってます。嫌いな歌手のCDを無理やり聴く人はいないのと一緒。

 

 そういう意味で、長谷川晶一さんの『いつも、気付けば神宮に』という本は、最高の本でした。もうね、買ってすぐ読み始めてずっと止まらないんですよ。あっという間の378ページでした!

 

 この本の面白いところは、長谷川晶一さんはプロのライターなのですが、それでも、あくまで、いちヤクルトファンとしてヤクルトのOB、現役選手にインタビューを重ねて、ヤクルトスワローズ史を紐解いているところ。度々出てくるファン自慢や、選手に対する思春期の片思い的な妄想をぶつけるところ、勝手に謝罪しようとするところなどに、共感があるんですよね。振り切った作品だなと思います。

 

 僕は90年代のヤクルト以降しか知りませんし、その前のヤクルトってピンとこないからあんまり興味が無かったんですよね。でも、軽快な文章と繊細な描写で、すごくリアリティを感じました。当時の空気感を文章で見事に表現しています。初めて、国鉄スワローズサンケイアトムズを身近に感じたかもしれません。とにかく、上手だった。

 

 当然弱い時代のヤクルトも取り上げているので、コミカルな部分もあるし、一方で胸が熱くなるような部分もある。 「そうだったのか!」と驚かされる部分もちゃんとあって分厚い本ですが、全然飽きないようになっています。

 

 最後に、僕が好きな一節を少しだけ紹介させてください。

 

 これから、館山昌平がマウンドに立つときは、一球たりとも見逃してはいけない。彼が命を削るようにして投げ込む白球には、どんな思いが込められているのか?その重みを決して忘れてはいけない。

 

 ホラ、読みたくなったでしょ?( ´艸`)

 

 

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