いま、ムーチョが熱い

 『肩は一流だが、打撃は二流、リードは三流』

 

 これは、古田敦也が入団したときの野村監督の評価だ。「メガネの捕手は大成しない」という迷信で、ドラフトを回避されたことがある大学社会人卒でヤクルトに入団。チーム再建のために、野村監督が自らのノウハウを叩き込むための愛弟子に抜擢された。古田は野村監督の元でメキメキと頭角を現し、2年目には首位打者を獲得。ヤクルトの中核選手に成長し、チームに幾度となく栄冠をもたらした。栄光の背番号「27」は、準永久欠番となり、いまも空位になっている。古田の実績に関して、いまさら語る必要はないだろう。

 

 前述の、『肩は一流だが、打撃は二流、リードは三流』という評価は、現・ヤクルトの正捕手であるムーチョこと中村悠平のルーキー時代にも言えた。FA移籍してきた横浜の相川亮二の元で試合に出られない日が続いたが、2014年に打撃が開花して.298をマーク。相川が巨人に移籍すると、2015年はシビれるようなリードでチームを優勝に導いたが、打率は急降下して.231。今年こそはと臨んだ2016年はさらに打撃が低迷して.187。チームも前年の優勝から5位に沈み、第2捕手の西田明央にその座を渡すことも多かった。

 

 悩めるムーチョ。昨年は、眉間にしわを寄せ、リードや打撃に悩める姿が目立った。

 

 しかし、今年はオープン戦から打撃好調。野球解説者の田尾安志氏は「この打撃していたら3割打てますよ」と太鼓判を押す。田尾氏が言うには「この2年間の低迷が信じられないような選手。元々良いものを持っている」。その予言の通り、開幕して5試合を終わって、打率は.389。ノーアウト満塁の「ピンチ」でも見事にタイムリーを放った。

 

 リードもどこか吹っ切れたように見える。課題だった投手陣もカツオが6回2失点、ライアンが5回2失点、オーレンドルフが6回4失点(うちパスボールとワイルドピッチが2点)、ブキャナンが8回1失点、山中が6回1失点と先発が大崩して試合をダメにすることがなくなった。これまでの2敗もブキャナンとルーキが誤算だっただけで、ピンチをつくりながらも、なんとかまとめたムーチョをホメるべきだろう。

 

 ムーチョにはリードの面であまり考えすぎて思考の森をさまよって欲しくないし、打撃では自分らしさを発揮して欲しい。肩は元々一流なのだから、あとは投手陣をグイグイ引っ張って存在感を示して欲しい。肩・打撃・リードの3つが一流と呼ばれるようになったとき、栄光の背番号「27」はムーチョの背中に輝くだろう。

 

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